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150年前、ヘラルド・ハイネケンが初めてハイネケンを名乗るビールを造りました。今日、数百万本のハイネケンビールが毎日、180ヵ国を超えて提供されています。Heineken NV は、70ヵ国以上で165を超える醸造所を所有しています。ビールの年間製造量が256mhlにおよぶヨーロッパ最大の醸造企業であり、世界では生産量ベースで第2位となります。
顧客中心、環境および社会的責任、生産性向上の強化においてハイネケンは極めて高い目標を掲げています。「EverGreen」は、醸造業界ならびに世界的な変化に対応して同社が適応し、刷新しながら成長を続けることを目的としたイニシアティブです。「Ever Green」には、世界で「最もつながったビールメーカー」になるという目標があります。社内のすべての部門がそのミッションに貢献しています。IT部門も例外ではありません。
ハイネケンビールには、できるだけ多くの消費者に楽しんでいただけるようにするという使命がありますが、そのデータもサプライチェ―ン全体において簡単に利用できることが求められます。「この戦略を実現するには、最高品質のアプリケーションが必要です。」と同社のSDLCおよびERPツールチェーン製品責任者のマイケル・ホーヘルフォルスト氏は語ります。「アプリケーションには店頭で使われるものもあるので、ビールを注文するお客様に直接影響があります。これらのアプリケーションに新しい機能を追加する場合、考えられるリスクをすべて取り除き、最も責任のある方法で行う必要があります。」
ハイネケンは2013年からテスト自動化を行っていましたが、2020年頃になって、利用していた2つのソリューションが、コストが高くなっただけでなく、メンテナンスをすることが困難になってきていることに気づきました。「使用していたスクリプトの品質は当社の標準に達していませんでした。また効率性を改善する方法も模索していました。」とホーヘルフォルスト氏は述べています。こうした経緯から、ハイネケンは新しいソリューションを探し始めました。

要件リストの上位には、広範囲なテクノロジーのサポートが可能なこと、メンテナンスと再利用がしやすいこと、SAPのテストに関するトレーニングを受けた専門家がいることなどがありました。SAPは、ハイネケンのアプリケーションスタックの中枢となるプラットフォームですが、ほかのERPシステムや、ServiceNow、Salesforceといったその他アプリケーション、またOutsystemsやPower Platform を利用して社内開発したアプリケーションも使用されていました。
「Tricentisに決定した当時は、TricentisはSAPのSolution Extension (SolEx)にまだ含まれていませんでしたが、TricentisとSAPの強い連携は非常に重要な要因でした。ToscaがSAPと密接な統合されていたことが鍵でした。」とホーヘルフォルスト氏は述べています。
その他の決定要因には、Forrester社、IDC社、Gartner社などのアナリストによる高い評価、加えて総所有コスト(TCO)の低さがありました。
Toscaの実装は、以前使っていたテスト自動化ツールからの移行より開始しました。ハイネケンには、特定のSAPアプリケーションで使われていたスクリプトがおよそ600件あり、それらをすぐにToscaで再構築する必要がありました。移行作業は、ハイネケンと既に協業していたIBMチームが担当しましたが、Tricentis Academyを利用し、Toscaの認定資格を取得するなど、チームの大半にToscaのトレーニングを実施しました。完全に移行してから3年が経ちますが、移行したテストは現在も実行されています。
移行作業の終了後、ハイネケンはテスト方針の変更に着手しました。「既存のスクリプトすべてを取り込んで、自動化することをやめました。代わりに、社内の各チームにToscaをプラットフォームとして提供しています。ある製品チームからテスト自動化のリクエストが来た場合、Toscaのプラットフォームを設定し、Tricentis Academyのトレーニングコースを使って、そのチームにToscaの使い方を学習してもらいます。私たちは、そのチームが完全に独立して実行できるようになるまで、テストの自動化と実行を手助けします。この方法により、テストプラットフォームの活用を促進し、アプリケーションの機能を熟知しているチームに品質保証の専門知識を拡げることができます。」とホーケルフォルスト氏は説明します。
ハイネケンのテクノロジースペシャリストで、品質保証のチャプターリードであるカタリナ・ニーミークムルチン氏も次のように語っています。「使いやすさとコードレスなことが、製品チームにToscaのテストプラットフォームを提供する際に重要になります。テスト自動化プラットフォーム(TAP)チームとして、私たちの第一の任務は、ツールのセットアップと周辺インフラすべてのメンテナンスであり、テストケースそのものは担当していません。私たちのベストプラクティスと初期テンプレートを各チームと共有することで、製品チームがToscaを正しく使えるようにトレーニングとサポートしたいと考えています。ここに焦点を合わせることで、フルサービスを提供するやり方から、フェデレーション利用へと移行することが可能になります。」
こういった方法により、Toscaは徐々にハイネケン組織全体に浸透しつつあり、ハイネケン社員とサービス請負業者の両方によって利用されています。サービス請負業者は、SAP環境は一元化されているため、主にSAP以外のアプリケーションで利用しています。SAP環境については、ECCとS/4HANAインスタンスの両方が、Toscaによってテストされています。ECC向けのテストは主にSAP GUIが対象ですが、S/4HANAについてはAPIテストを実行することも検討しています。
「去年、ハイネケンはToscaを中心に社内でコミュニティを作ることを始めました。現時点で350人以上が参加しています。ハイネケンのさまざまチームから、私たちのサービスやプラットフォームと何らかのつながりがあった、あるいは現在かかわりのある人たちが参加しています。現在、テスト自動化について32のプロジェクトチームと協働しています。」とニーミークムルチン氏は語っています。
リグレッションテストは、大体3週間に1回のリリースサイクルに合わせて行われますが、新しいプロジェクトの場合、TAPチームが製品チームのニーズに合わせてスケジュールを組みます。「ハイネケンはアジャイル手法を使ってリリースサイクルを加速しているので、私たちはスプリントレベルでテストを実行しています。つまり、品質確認を目的とした機能テストのフローも自動化しているということです。決められたタイミングでかつ適切な頻度でテストが確実に実行できるようにしています。」とニーミークムルチン氏は説明します。
ハイネケンは自動化をさらに進めて、Toscaの分散実行(DEX)機能をAttendedにて実行しています。今後は、完全自動化モデルでのテスト実行を、できるだけ早期に実現できるように目指しています。完全自動化モデルが実現するとテスト時間がさらに短縮されます。
現在ハイネケンでは非常に多数のテストを実行しているので、すべてのテストケースを完全に俯瞰できるソリューションを使い始めたいというニーズが生まれました。そのようなソリューションを探した結果、導入されたのがTricentis qTestでした。この製品は、Tosca によって自動化されたテストだけでなく、社内の各拠点で実行されているすべての手動テストの全容も提供します。qTestが導入されるまで手動テストは集中管理されていなかったため、実行中のテスト状況すべて把握するのは困難でしたが、qTestはハイネケンのJiraと完全に統合できるため、バグが検知されると担当チームにすぐに修正依頼が送信されます。ユーザーはqTestを直感的に使えると評価しています。1時間ほど使ってみるだけで習熟できています。
Toscaの導入に先立って、ハイネケンは投資を正当化するためのビジネスケースを作成していました。それに関して、ホーヘルフォルト氏は次のようにコメントしています。「しばらくすると、コストが順調に削減されていることが明らかになり、ビジネスケースで予測していた数値が達成できました。ビジネスケースは、スクリプト600件を移行する前提で構築されていましたが、実際の活用範囲は大幅に拡大され、予想以上のコスト削減効果を実現しました。Toscaのおかげで、テストケースの作成とメンテナンスの両方において作業時間が著しく短縮されています。従来の自動化ソリューションはまだ利用可能なので、それを使う選択肢もあります。しかし、関係者のほぼ全員がToscaの使用を希望しています。」
ハイネケンが描いている目標のひとつに、2025年末までに手作業を100万時間削減する、いうものがあります。ToscaとqTestは、その大きな目標に貢献しています。